ストレスも必要!!?
ストレスが能力やパフォーマンスを向上させる?

ストレスが与える影響は?
前回の記事でもお伝えしたように
ストレスは、身体的、心理的、行動的な
影響をもたらすことが知られています。
現代ではストレスがもたらす悪影響が
クローズアップされています。
しかし
ストレスは本当に悪いものなのでしょうか。
ストレスがもたらす影響を
メリットにも目を向けていきましょう。
■ストレスがもたらすデメリット
1.健康への悪影響:
長期的なストレスは
心臓病、高血圧、糖尿病などの
リスクを高めることが知られています。
2.精神的な問題:
ストレスが原因で不安や抑うつ
睡眠障害などの精神的な問題
が生じることがあります。
3.免疫システムの低下:
長期的なストレスは免疫機能を低下させ
病気になりやすくなる可能性があります。
4,記憶力の低下:
ストレスは
短期的・長期的な
記憶に悪影響を及ぼすことがあります。
5.対人関係の悪化:
ストレスを感じていると
他者とのコミュニケーションがうまくいかなくなり
対人関係に問題が生じることがあります。
6.判断力の低下:
過度なストレスは
判断力や問題解決能力を
低下させる可能性があります。
実はストレスにはメリットもある。
ストレスは
このように様々な悪影響を
与える可能性があります。
こうした悪影響は
理想のキャリアを歩みにくくなるだけでなく
働くことすら満足にできなくなってしまう可能性もあります。
その一方で
実はストレスがメリットをもたらす
場合もあるのです。
次はストレスがかかるからこそ得られる
メリットについて考えてみましょう。

1.集中力の向上

緊張感があると
一時的に集中力が高まり
作業の効率が上がることがあります。
例: 締め切りが迫る前夜
一晩でレポートを完成させる能力が増す。
2.動機づけの増加

目標達成のためのモチベーションや意欲を高める
役割を果たすことがあります。
例:
プロジェクトの達成を目指して
普段以上に早起きして努力する。
3.状況判断の鋭さが増す

ストレスは、
緊急時の迅速な反応や意思決定を
促進することがあります。
例:
突然の火事や事故に遭遇した際
迅速に避難経路を選び取る。
4.新しい視点やアイディアの発見

ストレスがかかると
従来の方法での問題解決が難しくなり
新しい方法や視点を模索すること
が促されることがあります。
例
会議での意見対立から
新しい解決策やアイディアが生まれる。
5.適応能力の向上

様々なストレスの状況に
対処する経験を積むことで
将来的に同じような状況に
遭遇した時の対処能力が向上します。
例
異文化の国での生活経験から
新しい環境に迅速に適応する力がつく。
6.免疫応答の活性化

短期的なストレスは
一時的に免疫システムを
活性化させることが示唆されています。
例:
スポーツの試合前の緊張感から
一時的に風邪を引きにくくなる。
適度なストレスはパフォーマンスアップにもつながる

ストレスのメリットとデメリットを上げました。
中にはあなたがこれまでの人生で感じたことや
経験されたこともあったのではないでしょうか。
ストレスは悪いことであると考えるだけでなく
これらのメリットとデメリットを理解し
ストレスとの適切な向き合い方を見つけることが大切なのです。
ストレス反応自体は
私たちの生存のための重要な機能として進化してきました。
しかし、
現代社会では、この反応が過度になる事で
健康や生活に悪影響を及ぼすことがあり
それが問題視され、様々な方面で
適切なストレス管理が重要といわれているのです。
一方で、
メリットに目向けてみれば適度なストレスは
自己の能力や環境への適応などに良い影響を
もたらす効果もあるのです。
つまり、
過度なストレスは悪影響を与えるが
適度なストレスはパフォーマンスを上げる
ということです。
あの時はつらかったけど
そのおかげで今の自分があるな。

そう感じることは
いくつかあるのではないでしょうか。
実は、
適度のストレスがパフォーマンスを上げる
ということはYerkes-Dodsonの法則としても
知られています。
■Yerkes-Dodsonの法則
Yerkes-Dodsonの法則は
1908年にRobert YerkesとJohn Dodson
によって提唱された心理学の理論です。
この法則は、
人々のパフォーマンス(実績や能力の発揮)
と生理的または心理的な興奮(ストレス)のレベル
との関係を示しています。
Yerkes-Dodsonの法則における
ストレスの状態とパフォーマンスの変動は
下記のとおりです。
■低いストレスレベル
興奮やストレスのレベルが低いと
パフォーマンスも低下する傾向があります。
これは、モチベーションや注意が不足しているためです。
■中程度のストレスレベル:
ストレスが適度なレベルにあると
パフォーマンスは最適化されるとされています。
この状態では、人々は集中し
最良の結果を出すことができます。
■高いストレスレベル
一方、過度なストレスや興奮のレベルでは
パフォーマンスは再び低下します。
これは
過度のストレスが注意の散漫や過度の興奮を引き起こし
タスクへの集中を妨げるためです。
このデータは
逆U字のカーブと呼ばれています。
このカーブは、
ストレスのレベルが低い時や高い時には
パフォーマンスが低下し、中程度のストレスレベルで
最適化されることを示しています。

※この法則がすべての状況やすべての人に当てはまるわけではありません。
タスクの複雑さや個人のストレス耐性など、多くの要因がパフォーマンスに影響を与えるため
適切なストレスのレベルは個人や状況によって異なることがあります。
適度なストレスはパフォーマンスの向上に役立ち
ストレスが必ずしも悪いものではないということです。
では、過度のストレスを感じやすい現代でそのストレスを
有効に活用するためにはどうすればよいのでしょうか。
次回の記事では、
ストレスを適度に保つための方法をお伝えします。