無駄にならないリスキリング~始める前に考えるべきこと~

■リスキリングといわれるけれど

リスキリングという言葉をご存じですか?
このところ、ニュースなどでも聞かれるようになりました。

経済産業省の定義ではこうなっています。

「新しい職業に就くために、あるいは、
今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために
必要なスキルを獲得する/させること」

経済産業省の定義

新しい知識やスキルを学ぶことで、異なる職務への転換や
新たな職務をかけ合わせた異なる分野への挑戦を促す取り組み
を指します。

多くの方が初めに思い浮かぶのが


・AIをはじめとするデジタルに関する技術を身に着ける

あるいは


・データサイエンティストといったデータ活用を学び
デジタル人材となる

などではないでしょうか。

DXが注目されていることもあり
こうした技術や知識を身に着けるための
スクールやオンラインプログラムなどもたくさん存在します。

それ以外にも、
リスキリングという言葉をキーワードに
様々なスキルや資格の案内はたくさん存在します。

どれも一定の期間がかかり、
それなりの費用も掛かります。

時間もお金もたっぷりあるのなら、
関心のあるものを全部学べばよいのですが
そういった方は少数でしょう。

また、
限られた時間とお金の中で
何を学べばよいのかわからない

という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、
今回は私たち中高年が
自分は何を学べば良いか
決める前にすべきことについてお伝えします。

時間と労力の無駄を最小限にし
自分のキャリアに活用できる
分野やスキルを見つける基準となるものです。

■リスキリングしても役に立たない?

結論から言えば
何を学んだとしても無駄になる事はありません。

何を学んだとしても、
そこで得た知識は新たな発見や発想につながります。

また、そこでできた仲間との交流によって
自分の視野が広がったり、人脈として自分のキャリアに活用
できる可能性もあります。

人生という長いスパンで見れば
何らかの形で役に立ちます。
無駄になる事はありません。

しかし、すぐに
キャリアアップやキャリアチェンジに
活用できるかは別の問題です。

これまでに経験がない。
これまでやってこなかった分野
を学んだとしても
それがすぐに新たなキャリアにつながる
活躍できるとは必ずしも言い切れないといいうことです。


既にその道のプロがいる世界に
経験のない人が飛び込んだとしても
すぐに同等の能力を発揮できることはほぼないからです。

若い世代であれば
全く経験のない新たな世界だとしても吸収も早く
新人として時間をかけて実践しながら活用できるようにする
と考えるのもよいと思います。

また、受け入れる側としても
それでよいと考えてくれています。

しかし

私たちにはそれが求められていません。


興味があるから、やってみたいから
ただやみくもにリスキリングしても
活用できないといった結果になる可能性が高いのです。

■私たちだからこその価値提供とは

私たちミドルやシニアがリスキリングをはじめ
新たに学び始めるのに大切なのは
これまで培ってきたスキルとの組み合わせです。

直接的な経験がなくとも
その技術を使う上で必要とされる
ほかの知識や経験が役に立てる
ということです。

少しわかりやすい例を挙げてみましょう。

例えば、

これまでに営業のマネージャーをやってきた経験がある。
マネージャーとしてチームを束ねる能力と
新たに学んだデジタルのスキルを付け加えることで
プロジェクトマネージャーとしての仕事ができるようになる。

あるいは、

自分が率先して技術的な仕事をしなかったとしても
学んだ知識があることで問題点や課題を的確に理解し
その解決策を考え、チームを前進させることができる。

といった具合です。

これは自分のキャリアの可能性を広げるというだけでなく
組織や企業も望んでいることでもあります。

これまでの経験を活かし
組織に新たな形で貢献してもらう。

経験がある私たちの世代だからできる価値提供です。

何を学ぶかを決める前に大切なのは

新しいことを学ぶことは素晴らしいことです。

しかし、時間もお金も限られています。

そんな中で私たちに大切なのは
これまでの経験やスキルと組み合わせて
どう活用するのかということです。

リルキリングで何を学ぶかを考える前に
これまで自分が何をしてきたのか。
何ができるのか。
新たな学びをどう活用していくのか。

これをしっかりと見極めることが大切です。

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